シリーズで住まいに関する法律問題について解説しています。

今回は眺望の問題です。
関東では、「富士見通り」で富士山が見えなくなることから、完成直前だったマンションが解体されるというトラブルも起こりました。
近年はマンションの建設ラッシュですが、眺めが気に入って購入したマンションの目の前に別のマンションが建ち、台無しになったというお悩みがあるかもしれません。

こういった場合、分譲業者等の売主に責任追及ができるでしょうか。

まず、売買契約の際に眺望を保証するという特約条項があるかどうかです。
特約として条項に謳っていなくても、眺望が買主側の契約の要であり、だからこそ契約に至ったような場合には、売主に眺望に関する説明義務があったか否かが問題となります。
例えば買主として現在の眺望が変更される可能性があるのかを尋ね、それに対して用途地域の関係で、目の前に別のマンションや高層ビルが建ち得ると説明されていたならば購入することはなかった等、売主の説明義務の不履行が契約の目的の達成に重大な影響を与えるような場合には、売主側の説明義務違反と認定されているようです。

一例として、ベランダから海が臨めるリゾートマンションや、有名なお城の目の前のマンションに関する裁判例で、売主の説明義務違反を肯定したものがあります。
この場合は、契約締結に要した費用の賠償請求や契約の解除が可能でしょう。
しかし他方で、同じリゾートマンションであっても説明義務を否定したものもあり、ケースバイケースと言えます。

お困りの際は一人で悩まずお気軽にご相談ください。