2024.08.03 マンションの管理費滞納トラブルの対処法

シリーズで住まいに関するトラブルについて解説しています。

先日、とあるマンションの管理組合より「管理費や修繕積立金を滞納している住人がいる。氏名をエントランスに貼り出したい」との相談を受けました。

たしかに1人だけ逃げ得状態になっているのは許されないことです。
しかし、滞納者の氏名を貼り出すことは、一般的にいって不名誉な事実を適示する行為ですから、仮にそれが真実だとしても名誉棄損やプライバシー権の侵害に該当し得ます。
控えた方がいいでしょう。

では、どうすればいいかですが、多くの場合、まずは管理組合等が請求書や督促状を送ることから始めます。
請求者としての「本気度」を示したり、後述する時効消滅を阻止したりするのにも役立つ内容証明郵便を利用するもの有効です。

それでも回収できない場合は、弁護士等に相談のうえ、総会の決議を経てから訴訟提起をすることになるでしょう。
ただし、管理規約に理事会の承認等があれば総会の決議までは不要という定めを置いていることもあります。

最後に、管理費等の請求にも時効があります。
管理費等の債権は、権利を行使できることを知った時から5年、または権利行使できる時から10年で消滅時効にかかり、もはや支払いを請求できなくなります。
仮に時効にかかってしまった場合、管理組合から理事長等の責任(善管注意義務違反)を問われてしまうかもしれません。
滞納トラブルが起こったら、長期間放置しないようにしてください。

平松法律事務所
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