
国土交通省が発表する建築住宅着工統計は、「持ち家」「貸家」「分譲住宅」「給与住宅」という4つの種類に分かれています。「2024年(1月~12月)の建築着工統計(全国)」によると、2024年の新設住宅着工戸数(上記4種の合計)は、前年比3.4%減の79万2098戸となり、2年連続で減少しました。以下では、2000年以降の住宅着工(全国)の推移について考えてみたいと思います。
2000年の新設住宅着工戸数は122万9843戸で、2024年まででこれを上回るのは2005年と2006年の2年間のみです。2000年の新設住宅着工戸数を100とすると、2024年は64.4に過ぎず、21世紀に入り住宅の建設は大きく減少しています。
2000年以降、住宅着工戸数が前年に比べ大きく減少した年がありました。2007年の対前年17.8%減、2009年の同27.9%減、2014年の同9.0%減、2020年の同9.9%減です。2007年は前年に起こった耐震構造設計偽装事件(いわゆる姉歯事件)により、建築基準法が大幅に改正されたことに伴う建築確認業務の遅延が主な要因です。法改正直後の8月には、分譲マンションの着工戸数がゼロとなった県が23に達するなど大混乱になりました。2009年は前年に起こったリーマンショックによる世界的不況、2014年は消費税の5%から8%への引き上げによる需要の減退、2020年はコロナ禍による物流の停滞が主な要因です。
また、前年に比べ極端に増加した年もありました。2013年の対前年11.0%増です。この年は、翌2014年の消費税増税を見越した駆け込み需要の増大が主な要因です。
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