2024.06.01 地価比較①/岩田町・萩原・下郡・明野地区

今回は大分川以東に位置し、中心市街地に比較的近い標記4地区の地価を比べてみようと思います。

1.各地区の現在の地価水準
国土交通省が発表する地価公示(同一地点における毎年1月1日時点の価格を公表する制度)によると、2024年1月時点におけるそれぞれの地価は、岩田町が86,300円/㎡(公示地番号26)、萩原が69,500円(同29)、下郡が90,800円/㎡(同25)、明野が79,800円/㎡(同45)となっています。また、岩田町の地価を100.0とすると、萩原は80.5、下郡は105.2、明野は92.5で、この4地区の地価水準は比較的近く、下郡>岩田町>明野>萩原の順となっています。

2.各地区の地価推移
この4地区の地価は、2015年頃を底にいずれも上昇していますが、21世紀に入ってからそれぞれの地区の地価はどう推移してきたのでしょうか。2001年1月時点の価格は、岩田町が137,000円/㎡、萩原が107,000円、下郡が101,000円/㎡、明野が82,300円/㎡でした。バブル崩壊後にもかかわらず、この当時の住宅地の地価は依然高水準で、岩田町>萩原>下郡>明野の順となっています。また、2001年1月から2024年1月の間に岩田町は37%、萩原は35%も地価が下落していますが、下郡は10%、明野は3%の下落にとどまっていることがわかります。下郡は宗麟大橋の開通に伴う中心市街地への接近性の向上、明野は社宅跡地における品等の高い分譲地販売が、近年の両地区の地価形成に大きな影響を与え、岩田町・萩原地区とこのような差が生じていると考えられます。

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