2025.02.06 家族と「縁を切る」には

ときどき、「家族と縁を切りたい」というご相談を受けることがあります。

しかし意外と思われるかもしれませんが、現在、日本の法律では家族と縁を切る制度はありません。
縁を切りたいなら互いに連絡をしない、家の敷居をまたがせない、という事実上の手段しかないのです。

もっとも相続の場面では、類似するいくつかの方法があります。

第一に、遺言で財産を譲らないことです。
親が子と縁を切りたい場合、その子に財産が渡らないように遺言状を残します。
できれば公正証書遺言にした方が良いでしょう。
ただし、この場合でも相続人にとっての最低限の取り分である遺留分の請求は免れません。

第二に、「廃除」(民法892条)という方法もあります。例えば子が親を虐待しているような場合は、家庭裁判所で子を相続人から廃除する手続きをとります。

また、例えば親子間で暴力等があり身体生命に危険が及ぶような場合は、民事保全法に基づく「接近禁止仮処分」の申立てが考えられます。
必ずしも使い勝手の良い法律ではありませんが、身に危険が及ぶような局面に至っているなら、躊躇せず警察や弁護士等に相談をした方が良いでしょう。
なお、皆さんが聞いたことがあるかもしれない「接近禁止命令」は、親子間には適用されません。
これらの適用のもととなるDV防止法は、配偶者による暴力から守るためのものであり、ストーカー規制法はそもそも男女間における恋愛のもつれから始まったトラブルが前提となっているからです。

ご家族間のお悩みは人それぞれです。
お困りの際はお1人で悩まずにお気軽にご相談ください。

平松法律事務所
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