2024.06.05
目的外使用をすると賃貸借契約を解除される?
シリーズで住まいにまつわる法律問題について解説しています。
今回のお話は「目的外使用」です。「用法違反」と言ったりもします。
民法は、賃借人の義務として「借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない」と規定しています(民法第616条、同法第594条第1項)。
例えば、ペット禁止の物件でペットを飼うなどといったことが典型ですが、「もともと居住用として貸したのに、室内でネイルサロンをしているようだ」「どうやら室内がいわゆるゴミ屋敷になっているようだ」という相談を貸主から受けることがあります。
賃貸借契約の締結時点でこれらの行為を禁じているのであれば、すべて契約に違反するということにはなります。しかし、用法違反があればいつなんどきも賃貸借契約を解除できるというわけではありません。用法違反による解除が認められるのは、契約当事者の間で「信頼関係が破壊」されるに至ったのみということになっています。
では、どういう場合に信頼関係が破壊されるに至ったというのかですが、基本的に住まいというものは、人にとって生活の基盤となる場所ですから、軽微な違反にとどまる場合には裁判所は解除を認めないようです。違反に至る経緯や、違反の態様、回数、程度などを総合的に判断して、もはや信頼関係は修復不可能かどうかを判断します。
総合判断ですから、何をどのように主張したらよいか、貸主側・借主側問わず難しいところがあります。お困りの際はお気軽にご相談ください。
平松法律事務所
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