令和6年4月1日から相続登記が義務化されました。相続登記を申請するに際し、被相続人名義の不動産に漏れがないか確認することは非常に重要です。
不動産の相続といえば、真っ先に思いつくのは自宅でしょう。しかし、自宅以外にも意外な場所に不動産が見つかることもあります。その調査方法について解説します。
まず、被相続人宛に届く郵便物を調査することで有力な手がかりを得ることができます。毎年5月頃に、その年の1月1日現在の不動産の所有者に宛てて、不動産所在地の市区町村役場から送られてくる「固定資産税・都市計画税納税通知書」を確認してみましょう。なお、共有名義の不動産の場合は、固定資産税・都市計画税納税通知書は代表者にしか送られてきません。
また、固定資産税・都市計画税納税通知書には、私道や墓地など固定資産税・都市計画税が課税されていない不動産は記載していないので注意が必要です。心配であれば、念のため不動産所在地の市区町村で「名寄帳」(なよせちょう)を請求してみてください。名寄帳には、所有者ごとに所有する不動産が一覧表にまとめられています。さらに、名寄帳を取得することで、前の世代の祖父母や曾祖父母名義の不動産が見つかる場合もあります。
最後に、未登記建物の存在にも注意が必要です。未登記建物は、名寄帳に家屋番号の記載がありません。未登記建物は法務局に登記記録がない建物であり、法務局で登記事項証明書を取得できるかどうかで確認できます。未登記建物は、相続登記義務化の対象ではありませんが、この際きちっと登記を完了しておくことをおすすめします。
■筆者プロフィール
司法書士 岩井 哲也(いわい てつや)
司法書士法人 大分司法事務所
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