2025.03.06 相続時の「寄与分」の目安

皆さんは「寄与分」という言葉をご存知でしょうか?
相続の場面では往々にして、「亡くなったお母さんを看ていたのは私だ」とか、「亡父と関わっていない兄弟の取り分を低くするべきだ」という主張を耳にします。

原則は法定相続分で配分されますので、例えば父が亡くなり、母も先立っていて、遺族は子ら(兄弟姉妹)4人というケースでは、きれいに4等分されるということになってしまいます。

しかし、民法は相続人間の公正性には配慮しています。
すなわち故人の生前に、故人の財産の維持や増加にひときわ貢献した相続人がいるならば、その人の取り分を多くする制度があり、これを「寄与分」と言います。
より具体的に見ていきましょう。

故人Aが寝たきりになり昼夜を問わずの看病が必要となったところ、長女Bは自身の仕事を辞めてAに尽くしたため療養看護にかかる支出を免れたような「療養看護型」のケースでは、他の兄弟姉妹よりも多くの遺産をBが取得できる可能性があります。
故人が「要介護2」以上の状態であったことが一つの目安となると言われています。

あるいは、故人Aに代わって長男BがA名義の不動産を売却するにあたり、買い手探しや賃借人の退去の交渉等に長きにわたり地道に尽力して、Aに多大な売却金を取得させたような「財産管理型」でも、Bが他の兄弟よりも多くの遺産を取得できる可能性があります。

この他、故人の事業を無償で手伝っていたような「家事従事型」、故人に金銭や住まいを提供した場合のような「金銭等出費型」等のパターンもあります。
お困りの際はご相談ください。

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