2024.08.04 相続登記を放置することにより生じる問題について

2024年4月1日より相続登記が義務化されました。今回は相続登記を放置することにより生じる問題についてご説明いたします。

①相続した不動産を売却できない、担保にできない
不動産の名義がお亡くなりになった方のままである場合、不動産を売却することができません。
また、不動産を担保に提供して融資を受けることなどもできません。

②相続人が増えて権利関係が複雑になる
相続登記をしない間に相続人のひとりが亡くなった場合など、相続人が増えることにより権利関係が複雑化します。
相続人全員が法定相続分で不動産を共有している状態になるため、より一層お手続きの時間や手間がかかることになります。

③過料が科される可能性がある
相続登記義務化に伴い、3年以内に相続登記をしなければ10万円以下の過料が科される可能性があります。

④相続人のなかに借金がある人がいる場合、不動産を差し押さえられる可能性がある
借金がある相続人の債権者によって不動産の相続持分を差し押さえられる可能性があります。

⑤相続登記のための書類を取得しづらくなる
相続登記をする際には、役所で必要書類を取得します。
相続開始から時間が経過している場合、役所における書類の保管期間を過ぎてしまう可能性が高くなるため、補完のための書類を準備するなど、より手間がかかることになります。

最近は、「子どもに迷惑をかけたくない」と、前の世代の方の名義になっている不動産についてご相談に来られる方が増えています。
相続登記を長期間放置することによる弊害は、そのまま次世代に受け継がれてしまうため、早目に対策されることをお勧めします。

■筆者プロフィール
司法書士 日野 友季(ひの ゆうき)
司法書士法人 大分司法事務所
大分市城崎町2丁目2番21号
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