今回は、いわゆる終活の１つにあげられる遺言について、作成するメリットについてご説明いたします。

自分自身が亡くなった後に家族や親族に迷惑をかけないための身辺整理、いわゆる終活の１つとして、遺言の作成がよく取り上げられています。

遺言を遺しておくことで、相続人は遺産分割協議が不要となり、相続登記手続きに必要な書類も少なくなるなど、相続人にとって大きなメリットになります。
次のようなケースでは、遺言の有無によって相続手続きに要する時間や費用が大きく変わるため、遺言を遺されることを特にお勧めいたします。

１つ目は、ご自身に子がおらず、兄弟が法定相続人となるケースです。
既にその兄弟が死亡している場合は、兄弟の配偶者や子も法定相続人となるため、法定相続人が多くなってしまうことがよくあります。
また、疎遠になっているため連絡先がわからず、手続きが長期化することも多々あります。

２つ目は、法定相続人が認知症等により法律行為を判断する能力がなくなってしまっているケースです。遺産分割協議をするにあたって、法定相続人は法律行為を判断する能力があることが前提となっています。
このような場合は、家庭裁判所による後見人の選任を経て、遺産分割協議を行う必要があります。
裁判所への手続きも必要となるため、費用も時間もかかってしまいます。

相続登記のご相談で、遺言さえあればもっと簡単に短期間で相続登記を終えることができたであろうケースは、多くあります。
遺言の作成について検討されている方は、お早めにお近くの司法書士などの専門家にご相談ください。