漢方について、興味はあるけど難しそうだと思っている人に向けた、入門編的な特集です。
まずは自分の体質を知ることで、身体の不調や不安の改善方法を考えてみましょう。
プロフィール
玖珠町出身、元保育士。結婚を機に漢方の勉強を始める。「漢方薬局は、心と身体の相談所」をモットーに、漢方を身近に感じてもらえるよう、市内外で女性向けに講演などを行っている。
漢方薬とは?
原料は、植物の葉や茎、根、鉱物や動物など薬効があるとされる素材の一部分を、乾燥や蒸すなど加工した生薬です。その生薬を漢方医学の考えに基づき、組み合わせた薬のことを指します。
西洋薬との違い
西洋薬が一つの症状に対して処方されるのに対し、漢方薬は、その人の体質に合わせて処方されます。生薬による複数の有効成分が含まれているので、多様な症状を抑え、体質を改善します。
何かしらの不調を抱えているが、病院に行っても特に異常がない、すっきり解決しないなどの症状(未病)で困っている人におすすめです。
例えば……
◇疲れやすく、身体がだるい
◇食欲がない
◇胃腸の調子が悪い
◇熟睡できない
◇冷え性
◇気分が落ち込む、ストレスを感じる
◇よく頭痛が起こる
◇肩こりや腰痛がひどい
◇めまいやふらつきがある
中庸(ちゅうよう)
漢方では、生薬を複数組み合わせることで、患部・症状だけでなく身体全体のバランスを整え、調子を改善することを目的とする、中庸(偏りがない状態を保つこと)を目指します。
心身一如(しんしんいちじょ)
心と身体は表裏一体。心の疲れと体の疲れはつながっています。季節の変わり目や、ストレスなど外的要因によって揺らぎやすい心のバランスを取ることで、身体の不調が出にくくなります。また自分を知ることで、不調が出た時にも対処できるようになります。
甘草(カンゾウ)
甘味料としても使用される豆科のウラルカンゾウの根。消炎作用があり、胃腸を整える。
桂枝(ケイ)
シナモンと呼ばれるクスノキ科のケイの枝。身体を温める。経絡の巡りを良くする。
葛根(カッコン)
和菓子などにも使うクズの根。血行を良くする、肩こりなど筋肉をほぐす。
生姜(ショウキョウ)
料理などに使うショウガのこと。組み合わせによって身体や胃腸を温める。
大棗(タイソウ)
ドライフルーツなどでも食べるナツメのこと。胃腸を整える、精神の安定を図る。
芍薬(シャクヤク)
ボタン科のシャクヤクの根。潤いを増やし、婦人科系の働きを助ける。
茯苓(ブクリョウ)
サルノコシカケ科のマツホドの菌核。むくみを軽減し、体の余分な水分を出す。
漢方では、体質や症状を総合的に判断する=タイプ別に分けることを「証(しょう)」と言います。証を判断するための方法はいくつかありますが、その中から「虚実(きょじつ)」と「気血水(きけつすい)」を紹介します。
虚証(きょしょう)
身体に必要なものが不足し、機能が低下している状態
→補う
実証(じっしょう)
外からの邪気(病気)に身体が強く反応し、痛みや腫れがあり、巡りが悪い状態
→取り除く
気血水
人体を形成する重要な要素は「気・血・水」とされ、これらがバランスを取ることで生命活動を維持すると考えられます。各要素の状態や相互の関係を知ることで、不調の原因を探ります。
漢方サロン みちかけ堂
大分市西春日4-1 西春日ビル1F
TEL.097-536-2722
定休日/日曜、祝日
P/2台
1979年、体質に合わせた薬を処方する漢方薬局としてオープン。11月8日(金)・9日(土)に開催する感謝祭では、予約制の無料相談会を開催。お気軽にお問い合わせください。