一年の汚れを落とす大掃除をラクに進めるための、
「洗剤の選び方」と汚れがたまりやすい「浴室の掃除」についてご紹介。
どんな汚れが付きやすく、どの洗剤が効果的なのかを知っておくだけで、
お掃除効率がぐんと上がります。
賢く汚れを落とし、新しい年を迎える準備をしましょう。

掃除用の洗剤は、大きく分けて「アルカリ性」「酸性」「中性」の3種類があります。それぞれ得意とする汚れの種類が異なるため、「汚れと反対の性質を持つ洗剤を選ぶ」ことが、使い分けのポイントになります。汚れを中和させることで緩み、落としやすくなるのです。例えば、油汚れや皮脂汚れなどの酸性の汚れにはアルカリ性洗剤、水垢や尿石などのアルカリ性の汚れには酸性洗剤が効果的。日常的な軽い汚れなら中性洗剤で十分落とせますが、大掃除のように長期間たまった頑固な汚れを落とす場合は、酸性またはアルカリ性の洗剤を上手に使い分けましょう。
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酸性の汚れ、例えば油汚れや手垢などに強く、種類によって特性が異なります。
●塩素系漂白剤 ※1
次亜塩素酸ナトリウムが主成分。とても強力で、カビ取りや除菌、白物衣類の黄ばみ落としに効果を発揮します。
※1 ハイターやブリーチなど
●酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)
漂白・除菌・消臭に優れ、刺激臭も少なく扱いやすいのが特徴。色物・柄物衣類の漂白、洗濯槽の洗浄などに効果があります。
●アルカリ電解水
水を電気分解したアルカリ性洗剤です。ベースが水なので、電子レンジや食器など、食べ物を扱う物の掃除にも安全です。
●重曹
水に溶けにくく研磨材としても活用でき、鍋やフライパンの焦げ付き、シンクの水垢落としに適しています。
●セスキ炭酸ソーダ
重曹より水に溶けやすく、スプレーとして使うと便利です。換気扇やキッチン周りの油汚れ、衣類の染み抜きに重宝します。
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界面活性剤を主成分とし、水と油をなじませて汚れを包み込み、浮かせて落とす仕組み。洗浄力はやや弱いものの、素材や肌に優しいため、日常の軽い汚れやお手入れに最適です。食器用洗剤に多く使われます。
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アルカリ性の汚れ、水垢や尿石などに強いのが特徴です。
●クエン酸
水に溶かすことで酸性の力を発揮し、浴室やキッチンの水垢、蛇口の白い固まりの除去に適しています。自然由来で安全性が高く、家庭でも安心して使えます。
●トイレ用洗剤(酸性タイプ)※2
より頑固な尿石や石のように固まった黄ばみ汚れには、硝酸や塩酸を含む強酸性が効果的です。
※2 サンポールやトイレマジックリンなど
※使ってはいけないものに注意!!
洗剤によっては、特定の材質に使用するとダメージを与える場合があります。使用上の注意をよく読んで使用しましょう。
※混ぜるな危険に注意!!
基本的に洗剤を混ぜて使うのはNG。特に「塩素系」と「酸性」が混ざると有毒な塩素ガスが発生します。


浴室は水を使い、石けんで体を洗うため、石けんカスや皮脂、水垢、カビなど、家の中でも特に汚れの種類が多い場所です。それぞれの汚れに合った洗剤を使い分けることで、頑固な汚れを効果的に落とすことができます。

● ヌメリ
排水口や床、シャンプーボトルの底などによく見られる汚れ。皮脂や石けんカスなど、酸性の汚れに雑菌が繁殖したことが原因。
● カビ
ドアのゴムパッキンやタイルの目地などに見られる、黒カビが原因の黒ずみ。根を張って奥深く入り込むため、落としにくいのも特徴。塩素系漂白剤を根元まで浸透させ、色素を分解する必要があります。
●湯垢
水垢に皮脂や石けんカスが混ざった、お風呂特有の酸性の汚れ。浴槽や椅子などに茶色っぽい、ざらついた汚れとして残ります。
●水垢
水道水に含まれるマグネシウムやカルシウムなどのミネラル分が固まってできた、アルカリ性の汚れ。白っぽい塊状で、鏡や蛇口などによく見られます。
●皮脂
人の体から出る脂分の酸性の汚れ。浴槽や床に残ると雑菌が繁殖し、黒ずみの原因になります。
●石けんカス
浴槽や洗面器などにできる、ざらざらとした汚れ。石けんの成分が水道水のミネラル分や皮脂と結びついて発生します。黒っぽい酸性の汚れと、白っぽいアルカリ性の汚れが混合し、落としにくい汚れです。
①サッシ
レール部分のゴミを取り除き、歯ブラシでこすりながら水洗いを。ドア枠のパッキンにはカビが入り込みやすいため、ジェル状の塩素系漂白剤を塗って長時間パックし、しっかり洗い流します。
②壁
皮脂汚れやシャンプーの飛び散りが付着します。まずは中性洗剤(お風呂用)をスプレーし、タワシなどでこすり洗いを。落ちにくい場合は一度洗い流してから、酸性のお風呂用洗剤やクエン酸を試してみましょう。
③浴槽
入浴後すぐであれば汚れが熱で緩んでいるので、中性洗剤(お風呂用)でこすり洗いをすれば簡単にきれいに。もし水垢が落ちない場合は、酸性のお風呂用洗剤を使用します。トイレ用洗剤の酸性タイプでも代用できます。
④鏡
白いうろこ状の汚れ(水垢)はクエン酸で落とします。水に溶かし鏡全体に吹き付け、ラップで密封して1〜2時間ほど置きます。水垢が緩んだら、丸めたラップでこすり洗いを。
⑤床
足裏の皮脂汚れには重曹を散布した後、ブラシやスポンジでこすります。溝や細かい部分は、使い古した歯ブラシが便利です。赤カビには塩素系漂白剤が効果的です。
⑥排水溝
ドロドロ汚れの正体は、抜け毛やホコリ、皮脂、石けんカス、カビなど。放置すると悪臭や詰まりの原因になります。ゴミを取り除いたら塩素系漂白剤を散布し、5〜10分置いてから洗い流しましょう。パーツは取り外して歯ブラシなどで丁寧にこすり洗いを。

