2026.09.01 終活ニュース最新版2026「デジタル終活」

大切な情報と財産を迷子にしないために
今から始める「スマホの終活」

 

今や生活に欠かせないスマホ(スマートフォン)やインターネット。しかし、持ち主が突然倒れて入院したり、亡くなったりした後に、「スマホのロックが解除できない」「どこのネット口座を使っていたか分からない」といったトラブルが急増しています。デジタル情報は事前の準備がないと、残された家族だけでなく、周囲の支援者や医療・介護関係者も手続きが進められません。今すぐできる具体的なポイントと対策を詳しく解説します。

 

 

顔や指紋認証でのロック。他の人は解除できません!

スマホの「顔認証」や「指紋認証」は便利ですが、持ち主が意識を失ったり、亡くなったりした瞬間に、周囲の人が解除するのは、ほぼ不可能になります。「友人らに緊急で連絡を取りたいのに、スマホの電話帳が開けない」「写真などの大切な思い出を整理してあげられない」と、周囲の支援者や医療関係者が困るケースが多々あります。スマホは、もしもの時に最初に直面する最大の難所になります。

万が一の時、信頼できる家族や支援者(成年後見人や身元保証会社など)には、スマホを開くための暗証番号やパスコードをあらかじめ伝えておくか、実印を押したエンディングノートや金庫の中などに、秘密のメモとして書き残越しておきましょう。


通帳のない「ネット銀行」や「ネット保険」は誰にも気づかれません!

最近、店舗を持たないネット銀行や、インターネットで申し込む保険・証券口座を利用する人が増えています。これらは、紙の通帳や保険証書が自宅に届かないケースがほとんどです。そのため、本人の身に何かが起きた後、周囲の人がその口座の存在自体に気づけないという問題があります。せっかく残した大切な貯金や生命保険が、誰にも気づかれずに放置され、口座が凍結されたまま、遺産相続や死後事務の手続きから漏れてしまうという事態も起きています。

ネットで管理しているお金は、周囲の人が遺品整理をしても見つけることができません。利用している「金融機関名」と「口座番号」「会員番号」の一覧を、必ずノートなどの「紙」に書き出しておいてください。最後はあえてデジタルではなく、目に見える「アナログ(紙)」で残し、信頼できる親族や後見人・行政書士などのサポート役に託すことこそが、最も確実で安全な方法です。


本人が亡くなっても、「自動引き落とし」は止まりません!

通販での定期購入や、スマホの有料アプリ、動画見放題サービスなど、クレジットカードや口座から毎月自動でお金が引き落とされるサービス。これらは契約者本人が亡くなったり、施設に入所したりしたからといって自動的に解約されたり、支払いが止まることはありません。家族やサポート役がクレジットカードの利用明細書を細かくチェックして気づくまで、本人が手続きできなくなった後も、毎月何千円、時には何万円もの支払いがそのまま続いてしまうこともあります。

毎月定額で支払っている有料サービスや、定期的に届く通販の商品を一度すべて紙に書き出してみましょう。そのリストをクレジットカードの契約内容と一緒に保管し、万が一の時にあなたの代わりに、周囲のサポート役がすぐ解約手続きを取れるように準備しておくことが重要です。


スマホの終活は、高齢者だけでは設定が難しく、専門用語に戸惑うことも少なくありません。家族がいる人はもちろん、おひとりでも、身の回りを支えてくれるケアマネージャーや福祉関係者、または行政書士など終活の専門家といった「頼れるサポート役」と一緒に、スマホの設定を確認してみませんか。周囲の支援者にとっても、本人のスマホやネット口座の状況を事前に共有することは、死後事務処理などの迅速で正確なサポートにつながる大きな安心材料になります。「スマホの終活」は、自分を守り、周囲を思いやる、新しくて大切な終活の第一歩です。