
ここ数年、日本では相次ぐ物価上昇と値上げラッシュにより
家計が圧迫されています。
また、長引く低金利や老後資金の不足などに対する備えとして、
昨年の新NISAスタートをきっかけに投資に関心を持つ人が増えています。
今回のマネー特集は、お金のプロである「住まいとおかねの相談所」の
ファイナンシャルプランナー・清水裕一朗さんに、
気になるお金のあれこれについて答えていただきました。
お金のことをしっかり学び、制度を上手に活用して、
人生にかかるお金の不安を少しでも解消しましょう!
A.毎日のお買い物などの生活費が家計を圧迫し、やりくりに頭を悩ませていませんか? 家計を見直すときは固定費と変動費に分けてみましょう。固定費とは通信費や保険料など毎月コンスタントに支払うものです。まずは固定費を1年分書き出してみましょう。この固定費削減が生活費見直しのポイントとなります。
A.住宅購入時に押さえておきたいのが、補助金や税制優遇です。現在の補助金、税制優遇は、子育てグリーン住宅支援事業(予算上限があるので注意)、住宅ローン控除、フラット35利用時には子育てプラスなど。知っていれば、もう少しこだわりのおうちになっていたのに…と後悔しないよう、必ず事前にチェックしておきましょう。
A.日銀の利上げの影響で、変動金利も上昇するのではないかと不安になっている人も少なくないと思います。借り換えを考えるときの目安はローン残高1000万円以上、返済期間が残り10年以上と一般的に言われています。ただし、融資手数料や登記費用が発生するため、その諸費用を考慮して借り換えメリットがあるか確認してみましょう。
A.建て替え時に発生する解体費や廃材処分費、税金、登記費用などがかからない分、コストを抑えることができるのはリフォームです。ただし、建物の状態が良好でないと大規模修繕が必要となり、建て替えと変わらないこともあります。またリフォームの方が建物寿命は短いため、住み継ぐか、否かということも考えておきましょう。
A.昨年から始まった新NISAは国が取り組んでいる制度で、金融商品を運用した際に発生した運用益を、非課税で受け取れるというお得なものです。一方iDeCoは毎月の掛金が所得控除になるため、さらに節税効果があります。自分に合った制度を選択しましょう。ただし、どちらも国の制度であるため、ルール変更がある可能性は十分に考えられます。
A.資産運用には必ずリスクがあります。ただ、このリスクとは危険ということではなく、金融商品でいうブレ幅のことを指しています。リスクが大きい=ブレ幅が大きいというだけです。このブレ幅を抑える(リスクを抑える)ためには、まずは長期積立投資から始めましょう。ここでいう投資も投機とは異なります。言葉を正しく理解することで、投資に対しての不安をなくしていきましょう。
A.相続時に生命保険だけに認められた相続税の非課税枠があり、死亡保険金の「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。これもメリットではありますが、もう1点、受取人を指定することで受取人固有の財産になる(お金に宛名をつけて想いを遺せる)ことが最大のメリットです。以上のことから遺産分割対策として生命保険は有効と言えます。
A.金利の予測はできないので、どちらがいいかは回答しかねます。ただ、タイプ別でお伝えすると、変動金利向きなのは借入金額にストレスを感じない人、返済期間が短い人、余裕資金がある人です。固定金利向きの人はその反対です。返済期間が長いことで金利の上昇リスク、あわせて利息の増大リスクはあります。意外と固定金利向きの人が変動金利を選択していることもあるので要注意です。