2024.10.01 里親になる選択肢 保護動物活動の今を知る

飼育放棄や多頭崩壊したペットや野良犬・猫など、
さまざまな理由で保護されている動物たちがいます。
ボランティアや保護団体、動物愛護センターにより一時的に保護された動物は、
譲渡会などを通じて、新しい家族を探します。
そこで今回は、譲渡会を行なっている
NPO法人とおおいた動物愛護センターに、
大分の保護動物の現状や譲渡会の活動などについて話を伺いました。

 

「OITA CITY PRESS」を発行する大分団地新聞社では、保護猫をはじめとする保護動物や、それを取り巻く環境を大分の人に広めるプロジェクト「HOGOHUG」に賛同。広報活動を通じて、一匹でも不幸な猫が救われることを目指しています。

保護猫譲渡会レポート

8月3日、大分市向原東にあるベツダイ本社にて保護猫の譲渡会「第3回HOGOHUG DAY」が開催されました。主催はNPO法人「ねこの糸」。会場には、生後2カ月から5歳まで10匹の保護猫が集まりました。会場では、「HOGOHUG」プロジェクト発起人で画家の池永ともかさんによる、猫の“ふんわり似顔絵”コーナーや、ステッカーやポストカード、段ボール製の爪とぎ、猫をモチーフとした木工製品など、各種グッズの販売も行われており、多くの来場者でにぎわいました。

「ねこの糸」で保護猫の譲渡を受けるには

譲渡会に参加するもしくは里親募集サイトで気に入った猫を見つける。

アンケートに回答する(家族の反対の有無や、ペット不可住宅に住んでいないかなどのチェック)

トライアル期間(お試し期間)の日時を決定

トライアル開始日(脱走の危険などもあるため、自宅にて引き渡し)
※トライアル用にケージやトイレの無料貸し出しあり。
トイレの砂や、現在使用中のフードも数日分提供

トライアル終了後正式に譲渡するかを決定。
譲渡に至らなかった場合は、保護主が猫を引き取る。
※正式譲渡が成立した際には、寄付金1万円が必要。
この寄付金は、保護活動費(エサ代、医療費、去勢・避妊費用など)に充てられるほか、
虐待目的や転売目的の譲渡を防ぐことを目的とする。
トライアル開始時に預け、譲渡が成立しなかった場合は返金。

保護猫を飼うメリット

保護猫を飼うことには、世の中の不幸な猫が減ること以外にもさまざまなメリットがあります。

❶トライアル期間があるため、猫との相性を試すことができる。

性格形成された成猫も選ぶことができ、自分に合うパートナーを選びやすい。

❸一緒に暮らしているボランティアから直接アドバイスが受けられる。

さまざまな猫がいるので、一人暮らしや共働き、自分の年齢など
ライフスタイルに合わせて選ぶことができる。

❺ビジネス目的ではないので、病気や障がいの有無や性格など
 猫の短所も正直に開示。安心して選ぶことができる。

 

不幸な猫のためにできることは、譲渡を受けることだけではありません。ご自身の年齢や転勤の可能性などで、永続的に飼うことが難しい場合でも、生後間もない子猫を預かり、母猫の代わりに授乳や排泄補助を行う「ミルクボランティア」や、里親が見つかるまで自宅で預かる「預かりボランティア」なども随時募集しています。また、ペットショップ以外にも猫を飼う手段があることを、周りの人に広めることも立派な保護猫活動です。

NPO法人「ねこの糸」

ブログ https://ameblo.jp/neconoito


大分県内では、飼い主の都合で引き取られ収容された後、やむを得ず殺処分される犬や猫が、この20年で9割以上減っているそうです。放し飼いを禁じた動物愛護管理条例の存在や飼い主のマナー向上、野良猫を増やさない活動などの成果が出ていると考えられますが、それでもまだ多くの命が奪われています。ボランティア団体などと共に、「殺処分がなくなること」を目指して取り組んでいる行政の代表的な窓口が「おおいた動物愛護センター」です。

おおいた動物愛護センターでの
保護犬・猫の譲渡までの流れ

事前審査の申込み
物愛護センターから犬・猫の譲渡を受けるには、「事前審査」と「事前講習会の受講」が必要です。
申し込み連絡は前開庁日(平日)の正午まで。

申請者(飼い主)の条件
・大分県内在住で20歳以上
・動物を終生適正に管理できる健康状態及び経済状況である
・60歳以上の場合は、飼養できなくなったときに代わりに飼い主となれる人がいる
・飼うことを同居人全員が賛成している
・同居人に動物アレルギーがない
・借家等の場合、管理者が動物の飼養を承諾している
・動物の飼養ができない住宅に転居する予定がない
・現在飼養している犬・猫の不妊・去勢手術が済んでいる
・飼養している犬猫の頭数が合わせて3頭未満である
・犬の登録及び狂犬病予防注射の接種が済んでいる
・猫は完全室内飼いをしている

事前審査(面談)
書類を確認しながら飼養希望者の面談を行います。
審査時に用意するものは譲渡審査書類、身分証明書、住宅の契約書等のほか、
60歳以上は、継続して飼養できなくなった場合に、
代わりに飼い主となる人の同意書が必要です。

事前講習会の受講
適切な飼養ができるよう、さまざまな情報について学ぶ。
講習後、譲渡会への参加資格(随時譲渡も含む)が1年間有効の
「事前講習会受講済票」を発行。

譲渡会
猫の譲渡会は第1・第3日曜、犬の譲渡会は第2(第4)日曜に開催。
参加には、事前予約が必要(センター窓口、電話またはホームページから要予約)。
持参するものは、事前講習会受講済証、筆記用具(ボールペン)、
不妊または去勢手術費用(1頭につき5,550円)、
マイクロチップ装着費用(1頭につき2,000円)。
犬は首輪とリード(移動用ケージは必要に応じて用意)
猫はキャリーケース(タオルやペットシートを準備)
当日引き取りもできるが、受け入れ環境を整備するため1週間程度預かることも可能。

引き取り後の飼育状況について調査

 

飼い主のいない猫を、自治会や近隣住民と話し合いながら共同で管理する活動。オスメスともに必ず不妊去勢手術を行い、餌やりや排泄場所についてのルールを決めて、一代限りの命として見守ります。おおいた動物愛護センターでは、市町村、ボランティア、県獣医師会等と協同し、飼い主のいない野良猫への不妊手術を無償で行う「おおいたさくら猫プロジェクト」を実施しています。手術を受けた猫は、他の猫と区別するため、耳の先が桜の花びらの形にカットされます。大分市では現在、約350団体が活動しています。

おおいた動物愛護センター

譲渡犬・猫の飼育室、検査・治療室、猫飼育モデル室などを備えた動物保護棟、ドッグランや多目的広場などがある。

大分市廻栖野3231-47(富士見が丘南側、みどりマザーランド内)
TEL.097-588-1122
ホームページ https://oita-aigo.com/

受付・利用時間

事務室/8:30~17:15 土・日曜・祝日休み
一般開放エリア・ドッグラン/9:00~17:00 月曜(祝日の場合は翌火曜)、12/29~1/3休み
みどりの広場/9:00~17:00 12/29~1/3休み