新しい年の始まりは、美味しい日本酒で乾杯しませんか?日本酒の品揃えが豊富な大分市内の酒屋さんで、おすすめの大分と全国の日本酒を教えてもらいました。基本的なラベルの読み方を覚え、今年は自分好みの1本を見つけてみましょう。
基本的な原料は「米」、「米麹」、「水」。これらを発酵させて濾したもので、アルコール度数は22%未満。法律上では「清酒」と呼ばれます。
米を削って(精米して)、残った部分の割合のこと。普段食べる食用米が90%程度に対し、日本酒造りでは70%程度が一般的。米の表面のタンパク質など、酒の雑味につながる成分を取り除くことで、香りの良い“きれいなお酒”になります。
特定名称酒とは、原料や精米歩合などの要件を満たした日本酒のこと。精米歩合により「純米」、「純米吟醸」、「純米大吟醸」、精米歩合60%以下または特別な醸造方法で造る「特別純米」と呼ばれます。さらに醸造アルコールを添加した「本醸造」、「吟醸」、「大吟醸」、精米歩合60%以下または特別な醸造方法で造る「特別本醸造」の8種類に分類されます。それ以外の日本酒は「普通酒」と呼ばれます。
日本酒を搾った後に加水しない「原酒」や、加熱処理(火入れ)しない「生酒」、自然の力を活用した昔ながらの造り方「生酛(きもと)」などといった製造方法が表記されることもあります。
「日本酒度」は日本酒の甘さや辛さを示す指標で、マイナスになるほど濃醇で甘く、プラスになるほど淡麗で辛いとされています。ほかにも味わいを表す数値として、「酸度」や「アミノ酸度」などもあります。一般的に、酸度が高ければ味が濃く辛口に感じ、アミノ酸度が高ければ濃厚で甘口と言われています。「美味しい!」と思う日本酒と出会った時にこれらの数値をチェックしておくと、次回以降、好みの日本酒を探す際の基準となります。
日本酒は、キンキンに冷やした「冷酒」から、「冷や」と呼ばれる常温、器が持てないほど熱いものまで、幅広い温度帯で個性豊かに飲めるのも特徴です。
冷酒
冷やした日本酒は、味わいがシャープに締まります。軽快でなめらかな本醸造や、香り高い吟醸、大吟醸などがおすすめです。
冷や
20〜25℃程度の常温のこと。長期熟成したものや純米などは、日本酒の風味や米の旨味をダイレクトに味わえます。
ぬる燗
40℃以下の温めた日本酒。まろやかな香りと、甘味と酸味の両方を感じられます。純米や、吟醸など香り高いタイプ向き。
熱燗
温度を上げると、米の旨味と甘味が膨らみます。コクや香りが強いタイプなど、個性のある風味が楽しめます。
豊後大野市緒方町で明治22年から続く「浜嶋酒造」の「鷹来屋」シリーズ。通年販売の特別純米酒は、山田錦と県産ヒノヒカリを使用した食中酒にぴったりな1本。後口のキレが良く呑み飽きず、普段使いしやすいのが特徴です。鍋×燗酒で味わうのがおすすめですが、冷やしても常温でも幅広く楽しめます。鷹来屋の顔とも言える代表的な商品。
茨城県日立市の海に近い小さな蔵元「森島酒造」。東日本大震災で被災後、2019年に誕生させた新ブランド「森嶋」の、山田錦を100%使用した純米吟醸の無ろ過生原酒です。山田錦特有の瑞々しくてふくよかな米の味わいが口の中で膨らみ、飲むうちにすっと消える後口のキレが特徴。美山錦や雄町、ひたち錦と、米違いの銘柄も楽しめます。
笠木酒店
大分市古国府2-2-44
TEL.097-543-0912
営業時間:9:30〜19:00、日曜、祝日〜18:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
※12月31日(火)〜2025年1月5日(日)は営業
駐車場:4台
4代目が切り盛りする大正5年創業の酒屋。日本酒をメインに、ワインや焼酎が揃います。主な日本酒は、「東一(佐賀)」や「秀鳳(山形)」、「杉勇(山形)」、「山城屋(新潟)」、「玉川(京都)」、「奈良萬(福島)」など。多彩なラインナップです。
久住山の麓、標高700mの竹田市久住にあり、高地の寒冷な気候と久住山の清らかな伏流水で醸す「千羽鶴」。昔ながらの製法・山廃で手間暇をかけて造る純米酒は、2年熟成させることで、角の取れたまろやかな酸味に。店主も「値段以上の価値がある」とお墨付きの一品。一般的に生酛や山廃は燗向きとされますが、冷酒や常温がおすすめです。
栃木県東部にある「惣誉酒造」が力を注ぐのが、伝統的な生酛仕込み。原料に特A地区の山田錦のみを使用し、2種類の酵母を使って通常の何倍もの手間をかけて醸造しています。米の旨みと生酛特有の酸味が混ざり合った、味のバランスが良いきれいな商品で、店主も「日本一の生酛造り」と太鼓判を押します。酸味のあるガリと好相性です。
酒の大平
大分市中島中央1-4-27
TEL.097-536-6020
営業時間:9:00〜19:00、日曜、祝日10:00〜18:00
定休日:なし
※2025年1月1日(水・祝)〜3日(金)は休み
駐車場:6台
昭和29年創業。大分県内ほぼ全ての蔵の日本酒、焼酎が揃います。主なラインナップは、県内唯一の取り扱いとなる新潟の「〆張鶴」をはじめ、「越乃寒梅」、「雪中梅」、「水芭蕉(群馬)」、「大信州(長野)」、「山法師(山形)」、「仙禽(栃木)」など。
創業元治元年の「八鹿酒造」が、九重連山の伏流水で仕込む新感覚のスパークリング日本酒。華やかな香りとクリアな飲み口、自然発酵によるきめ細やかな炭酸が特徴で、和食からフレンチまで幅広い料理に調和します。「白虹」の由来は、美しく幻想的な虹のような泡立ちから。2020年に「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の最高金賞を受賞。
佐賀県小城市の廃業した酒蔵を2019年に復活させ、醸造を再開した「光栄菊酒造」。名杜氏・山本克明氏を迎え、現在は日本酒業界で最も注目される銘柄の一つに成長しています。微発泡タイプの無濾過生原酒「SNOW CRESCENT」は、華やかでフレッシュな果実の香りと、ジューシーで軽やかな甘酸っぱさが特徴のおすすめの1本です。
丸田酒舗
大分市畑中3-3-52
TEL.097-543-5052
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜
※12月25日(水)は営業、 2025年1月1日(水・祝)〜3日(金)は休み
駐車場:4台
創業63年、親子2代で営む酒店。日本酒や焼酎などの和酒に加え、ナチュラルワインも豊富に取り揃えます。蔵元に直接足を運び、目、舌、耳で吟味した銘柄のみを厳選し、徹底した品質管理のもとで販売。主な取り扱い銘柄は、「獺祭(山口)」、「光栄菊(佐賀)」など。