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2020.12.02 【大分市消防局】入浴時に起こりやすい事故について

冬本番となり、暖かいものが恋しくなる季節となりました。

今回は『浴室や脱衣場など、入浴時に起こりうる事故等』についてです。

浴室で起こりうる事故事例

2019年中に浴室や脱衣場で発生した救急事故は約300件ありました。
浴室での事故事例は次の通りです。(過去の事故事例から)

 ◆浴室内、脱衣場での転倒
◆浴槽内への転落
◆やけどや脱水症状
◆入浴中に気分が悪くなった等

例えば、気分が悪くなった時の要因例として次のことが挙げられます。
浴室をイメージして下さい。脱衣場で寒さを感じながら服を脱ぎます、そうすると血管が縮み、血圧が上昇します。その後、暖かい環境の浴室や湯船につかり、体温が急上昇し血管が拡張して血圧が下がります。
急激な血圧の変化で心臓に負担がかかる事…これが、ヒートショックです!!
ヒートショックがおきると失神したり、意識がもうろうとして浴槽で溺れたり、心筋梗塞や不整脈、脳梗塞などを引き起こし、心肺停止にもつながります。
人間の血管は外気温に左右されます…血圧が変動することによってヒートショックは起きます。とても怖い症状ではありますが、熱中症同様未然に防ぐことができます。

● ヒートショックは予防できます!

①入浴前には水分補給。
②シャワーでお湯を溜めたり、湯船のふたを開けておき、脱衣場と浴室の温度差を小さくする。
(浴槽の適温は41℃程度)
③かけ湯をして入浴する。
④飲酒時や食後の入浴は避ける。
(食後は血圧の変動が大きいため)

●特に注意していただきたい方

①高齢者…体温を維持する生理機能が低下しています。また、成人に比べ筋力も低下しており、転倒のリスクも増えてきます。
②高血圧の方…急激な血圧変動で低血圧症が起き、意識を失うことも。
③糖尿病・脂質異常症の方…
血管が硬くなっている可能性があるため、スムーズな血圧の維持ができないことも。

●おわりに…

浴室内の事故の要因はさまざまですが、例年12月~3月の寒い時期に多く発生しています。特にヒートショックは、命にかかわるおそろしい現象です。しかし、正しい知識を持ち対策を講じることで、ヒートショックは防ぐことができます。また、転倒等の事故も手すりを持つなど、少しの注意で防ぐことができます。気持ちの良い入浴時間を過ごすためにも、万全な対策を講じて、事故防止に努めましょう。

(情報提供=大分市消防局 警防課 救急救助担当班)