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「私って更年期?」と思っている方に向けて、 産婦人科医の西馬小百合先生に更年期について 説明していただきました。まずは下のチェックシートで、 簡単に更年期指数を確認してみましょう。
心身の変化、不調…
そもそも「更年期」とは?
更年期とは閉経の前後5年の10年間であり、一般的には40代から50代の間に迎えます。この間、卵巣からの女性ホルモンのエストロゲン分泌量が急激に減少するのですが(下図参照)、それに伴って生じる多種多様な症状が日常に支障をきたした状態を「更年期障害」、特に支障がない状態を「更年期症状」と言います。
一般的によく知られる症状のひとつがホットフラッシュ(ほてりや発汗)ですが、気分が落ち込む、物覚えが悪くなった、イライラしやすくなったといった精神症状も意外と多いです。なかには全く症状がなく、閉経する方もいます。その場合でも女性ホルモンの減少に伴い、ゆくゆくは脂質異常(悪玉コレステロールの上昇)、動脈硬化、骨粗鬆症などが考えられるので、更年期に入った女性は症状のあるなしに関わらず、定期的に婦人科検診を受けることをおすすめします。
症状や体質に合わせた
3つの治療法
更年期の症状に対する治療法は、大きく分けて三つ。一つ目は生薬で体質を改善していく漢方療法。二つ目は失われたホルモンを補ってあげるホルモン補充療法で、飲み薬、貼り薬、塗り薬の三種類があります。三つ目は補助的な治療になりますが、サプリメントの摂取や、胎盤抽出エキスであるプラセンタ注射があります。これらの治療法を、患者さんによって組み合わせて治療していくことが多いです。当院は、アロマセラピストや鍼灸師とも協力しながら診療しています。
セルフケアでできることは?
注目の成分エクオール
エクオールとは、エストロゲンの欠乏を補う働きが、さまざまな研究で確認されている成分です。大豆に含まれるイソフラボンの一つであるダイゼインを、腸内細菌が代謝することで産生されますが、日本人女性のうち、体内でエクオールを産生できる人の割合は約2人に1人。あまり大豆食品を摂らない若い世代になるほど、その割合が低くなります(左図参照)。
更年期症状を改善するためにご自身でできることとして、バランスの良い食事や運動、ストレスケアなど、生活習慣の見直しがまず大事ですね。そして、エクオールを含有したサプリメントもおすすめです。薬と異なり作用は穏やかですが、試してみる価値は十分にあると思います。長期的に摂取するものなので、製法やエビデンス、医療機関で扱っている製品かなどを基準に、自分にあったものを選ぶとよいでしょう。
コロナ禍の今、受診をためらっている方も多いと思いますので、そんな方は気軽に利用してみてはいかがでしょうか。
【取材協力】
西馬 小百合 院長
2004年大分大学医学部を卒業。熊本大学医学部附属病院、熊本赤十字病院、大分赤十字病院などで、婦人科・産婦人科での経験を経て2017年に開業。「女性がかかりやすいアットホームなクリニック」を目指し、産婦人科女医の立場から女性の痛みや悩み解決をサポート。
[医療法人あろは会