皆様ご応募
ありがとうございました!
大分県内各地から370句の作品を
ご投稿いただきました!
特別審査員の俳人、
夏井いつきさんが選んだ
優秀句をご紹介します。
昭和32年生まれ。松山市在住。俳句集団「いつき組」組長、藍生俳句会会員。第8回俳壇賞受賞。俳句甲子園の創設にも携わる。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」等選者。2015年より初代俳都松山大使。句集『伊月集 鶴』、『おウチde俳句』『夏井いつきの俳句ことはじめ』等著書多数。
厨の天窓から差し込む光を浴びて、すり下ろした真白な蕪も、魚の切り身も、蒸し上がる湯気も、とろりとかけた「あん」の深い色も、とびきり美しく、ふんわりと温かく見えます。なんとも美味しそうです。
物干し竿ではなく洗濯ロープ。微かにたわんだ孤が見えてきます。その向こうに広がる夏の海の青さ。季語「ベランダ」の風景に一本曲線を引くだけで、こんなにリアルな映像が見えてくるのです。
季語が「炬燵」だったら孤独で寒々しい情景になりそうですが、「春炬燵」なら明るいユーモアが加わります。春になってもまだ炬燵と離れがたく、あえてテレビに話しかけているようです。
よく研がれて鋭く立つ剃刀の刃。刃を頬に当てて剃り始めた瞬間、その鋭さだけでなく、秋ならではの冷たさを体感したのでしょう。剃刀の刃とともに、感覚まで研ぎ澄まされる秋です。
「朝寒」は、朝のうちだけひやりと感じる寒さのこと。毎朝家族が同時に出入りする大騒ぎの洗面所で、水の冷たさが話題になったのでしょうか。口々に寒いと話しているのでしょうか。
軒に吊るした「干柿」が、干された「掛け布団」に影を落としている季重なりの句です。布団と影のどちらが冷えたのか判断を迷いましたが、「柿の影」が冷える方に詩情を感じました。
「小春」とは、冬の初めの春に似た暖かい日のこと。茶の間から家族の「おかえり」の声が、明るく、温かく、優しく、楽しく、輪唱のよう響いてきました。茶の間もまた小春のように暖かです。
「晩学の城」ですから、年をとってからの学問でしょう。書斎ではなく食卓を城としているところに親しみが湧きます。名月を仰いで、向上心をかき立てられている横顔が浮かびます。
主催/大分団地新聞社
共催/キッチンスタジオJAPAN
後援/OBS大分放送、J:COM 大分ケーブルテレコム
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