みんなの終活俳句コンテスト

みんなの終活俳句コンテスト

皆様ご応募
ありがとうございました!

大分県内各地から282句の作品を
ご投稿いただきました!
皆様ご応募ありがとうございました!
特別審査員の俳人、
夏井いつきさんが選んだ
優秀句をご紹介します。

俳人 夏井いつき

昭和32年生まれ。松山市在住。俳句集団「いつき組」組長、藍生俳句会会員。第8回俳壇賞受賞。俳句甲子園の創設にも携わる。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」等選者。2015年より初代俳都松山大使。句集『伊月集 龍』、『おウチde俳句』『夏井いつきの俳句ことはじめ』等著書多数。 natsui

大賞

「行く年」の大掃除は当たり前といえば当たり前ですが、「手帳」「名刺」という二つのモノを提示することによって、作者の人生が浮かび上がります。仕事の世界で闘うために必要不可欠であった「手帳」と「名刺」。終活を始めた今、それらを「可燃物」として分別し、ゴミとして出そうとしている自分がいるのです。季語「行く年」を通して人生の感慨に溺れることなく、さばさばと詠んでいる姿勢が、まさにテーマ「終活」の心でありましょう。

優秀賞

かつて「遺言」とは、大きな財産を残す大金持ちのものでしたが、今は随分イメージが変わってきました。終活の一つとして遺言しておこうと記したのが、飼っている「目高の処し方」だというのですから、なんだかほのぼの。卵を生み増え続けていく目高は、受け継がれていく家族の象徴のようでもあります。

佳作

美しい蘭の花を飾り、ピアノを弾き始めます。この大切なピアノも、いつかは遺品になるのだなと思う。自分が愛用しているピアノなのか、ピアノを弾く人物を思う気持ちなのか。一句の読みは、さまざまなストーリーを含んで広がっていきます。蘭の花は、遺品となる前も後も、艶やかな香りを放ち続けます。

「子どもたちに迷惑をかけないよう、これをきちんと書いておこうと、買ってきたはずのエンディングノートなのに、たった四行書いただけでそのままになっているのです。「四行」という数詞が、季語「秋」という時間を目に見えるものにしているのが、さりげなく巧い作品。人生が豊かな秋を迎えている今こその終活です。

コスモスは、可憐な花のイメージが強いですが、実は風雨に倒されても、そこから茎を直角に持ち上げて伸びるしぶとい植物です。一人住まいの一人人生は、まさに高原の風に咲くコスモス。颯爽と強かに残りの人生を歩いていきますよという、てきぱきとさばさばと終活をこなした後の心持ちに違いありません。


キッチンスタジオJAPAN賞


リプル賞


フンドーキン特別賞


うちの台所俳句コンテスト結果
第1回俳句コンテスト結果